成功し続ける人だけが知っているたったひとつの秘密とは?

「イノベーションのジレンマ」という書籍があります。

この本は、ハーバード・ビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授が書いたものです。

副題に「技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」とあり、イノベーションが企業経営にどのような影響を及ぼすのかを解説しています。

画期的な技術革新を取り入れて市場で成功を収めた大企業は、経済的な合理性の視点から、その既存技術をさらに発展させようとします。

しかし、新興企業やベンチャー企業は、規模の点では大企業には叶わないのですが、その機動的な対応から、顧客ニーズを取り入れた新機能を持った製品を投入し、新たな市場を作り出します。

大企業は過去の成功体験から、そのような技術を過小評価してしまう傾向があり、新市場への参入が遅れ、やがて彼らのとの競争に敗れることがあるというものです。

企業に限らず、一人一人の人間も過去の成功体験を捨てきれないということがあります。

エグゼクティブコーチングの第一人者であるマーシャルゴールドスミス氏は、Talent Managementに寄稿した「変化を選択する」という論文の中で、成功したリーダーがさら
に成功するためには、変化することを受入ればならないと警鐘を鳴らしています。

本日は、この論文を紹介します。

なお、マーシャルゴールドスミス氏の論文の翻訳については、ゴールドスミス氏ご本人の承諾のもとで行っております。

 

変化を選択する

最新のコラムで、私は人や組織が変化を考えねばならない時について話をした(簡単な答えはすぐに)。

今月は、どのようにして変化に影響を与えるかについて話したい。

私は、ビジネスで最も成功した人たちの何名かと仕事をする幸運を得た。

彼らについて私が気づいたことは、彼らはじたばたしない楽観主義だということだ。

彼らは自らが成功を作り出せると信じているだけでなく、成功を実質的に彼らに与えられるべきもののように感じている。

彼らは機会を他の人が不可解と考える熱狂さを持って追い求める傾向がある。

成功した人たちはまた、自己決定について強烈な要望を持っている。

彼らは自らがそれをすることを選択したのでやっていると信じる。

人は成功すればするほど、これに当てはまる。

それらの二つの特徴は結びついている。私たちが選択したことをする時、私たちはそれによりコミットし、それについて熱狂的になっている。

私たちがやると期待されていることをしたり、強いられたりする時、私たちは単に迎合的になり、ただそれをやり遂げるふりをしがちになる。

あなたは、金銭が業績と関連づけられていない時でさえ、どんな仕事でも態度の違いが判る。

私がケンタッキー州の高校に通学していた時、私のような疑い深く皮肉の利いた冗談好きな人は、ある教師が職業に対して神の思し召しを持っており、他の教師が生活のために仕事をしていることが判った。

驚くことではないが、最高の教師は前者である。

彼らは、外部の力、例えば着実な給与や夏期休暇などの外部の力にコントロールされているというよりも、私たちにコミットしていた。

成功した人たちは、コントロールされていたり、操作されていたり感じることに対して独特の嫌悪を持っている。

私はこれを仕事において毎日見ている。私は、他の人をより良く変えられる誰かとして素晴らしい紹介をしてもらっても、私はまだ抵抗に遭う。

私は自分が人を変えられないという事実と和解している。

私は、彼らが自らで変わると選んだものが良くなるよう手助けしているだけだ。

不幸にも、「私は成功することを選んだ」と考える人たちに「そして、私は変わることを選んだ」を付け加えるのは簡単ではない。

私たちの行動は自らの選択の結果だと信じるほど、行動変革が望ましいということを理解しなくなる。

これには理由があり、それは心理学でも最も研究された原則の一つである。

それは認知的不協和で、それは私たちが心で信じているものと、実際に経験していることとの間の断絶を言及している。

基本的な理論はシンプルだ。何かが真実だと信じることにコミットするほど、反対のことが事実だと信じにくくなる。

たとえ、私たちが事実間違っていることを示す明確な証拠を目の前にしても。

例えば、もしあなたが同僚の一人を間抜けだと深く信じているなら、あなたは彼の実際の振る舞いに関わらず、彼がすること全てをその信念のフィルターに通すのだ。

彼が何をしようとも、あなたは自分の先入観を裏付けるプリズムを通してみるのだ。

このネガティブな認識に打ち勝つのは、その人の側で何年にも渡る清廉な行動が必要である。

それが他の人にも適用される認知的不協和であり、職場での混乱や不公平の力となり得る。

にもかかわらず、この同じ原則は、成功した人たちが自らに当てはめる時に、実際に彼らに好意的に作用する。

それは、成功した人たちが辛い時に屈服したり、ぐらついたりしない理由になる。彼らのゴールや信念に対するコミットメントは、彼らの現実をバラ色の眼鏡で見させ、どんな困難も幸せに勝たせるのだ。

それは、多くの状況で良いことである。彼らの個人的なコミットメントは、人に最後までやり遂げさせ、状況が厳しくなった時にも諦めさせないよう働きかける。

同様に、あなたが様々な規模の変化に取組む時に、その貴重なものから目を離さずにいようとし、挫折を前向きに評価することだ。言い換えれば、変化することを選択し、頑張ることだ。

 

最後に

本日の記事はいかがでしたか。

論文の中にある認知不協和とは、米国の心理学者であるレオン・フェスティンガー氏によって提唱されたものです。

この理論によれば、人は自分の中で矛盾する考え抱えた時に不快感を感じます。その不快感を解消するために、自身の態度や行動を変更したり、「新しい事実」を否定するなど自身の態度や行動を変更させると考えられています。

参考文献

yujiro akimoto
  • yujiro akimoto
  • 【経歴】
    兵庫県神戸市出身。

    大学卒業後は、日系の精密機器メーカーに入社。約9年間に渡り人事、海外販売 (東南アジア地域)、営業支援などの業務を経験。

    その後、コンサルティング業界に転職。
    戦略コンサルタントとして、通信業・製造業・専門サービス業などのクライアントに対する戦略立案や戦略の実行支援などに携わる。

    コールセンター会社の経営企画と人事の担当役員として事業会社の経営に携わった後に、株式会社秋元アソシエイツを設立し、組織の生産性向上などのコンサルティングサービスを提供する。

    【資格】

    Marshall Goldsmith Stakeholder Centered Coaching (Certificated Coach)
    全米NLP協会 プラクティショナー
    TOEICスコア: 915

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