上司が勝ちにこだわりすぎると…
1970年代の後半から90年代にかけて女子テニスの世界で圧倒的な強さを誇っていたマルチナ・ナブラチロワという選手がいます。
ウィンブルドン選手権の大会史上最多優勝記録(9勝)、WTAツアーの最多優勝記録(シングルス167勝、ダブルス177勝)など、数々の歴史的な記録を打ち立てました。
そのナブラチロワは、勝負に関して
「勝ち負けは関係ないという人は、たぶん負けた人なのだろう」
という言葉を残しています。勝利にこだわる強い意志の伝わる言葉です。
エグゼクティブコーチングの第一人者であるマーシャルゴールドスミス氏は、Thinkers50 Blogで「いいえ、しかし、でも」という論文を発表し、成功したリーダーにありがちな20の悪癖のひとつである勝ちにこだわる傾向について警鐘を鳴らしています。
本日は、この論文を紹介します。
なお、マーシャルゴールドスミス氏の論文の翻訳については、ゴールドスミス氏ご本人の承諾のもとで行っております。
目次
「いいえ、しかし、でも」
勝つことを好む人が陥る簡単な癖で、会話を殺す確実な欠点は、文章を「いいえ」「しかし「でも」で始めることだ。
それはあなたの口調がどんなに友好的であっても、どんなにその言葉を蜂蜜のように甘く言っても、問題ではない。
受け手に対するメッセージは、「あなたは間違っている」だ。
それは、「さあ、議論しましょう」や「あなたの考えていることを聞くのが好きです」ではなく、それははっきりと「あなたは間違っていて、私が正しい」と言っている。
もしあなたの会話の相手がまた勝者型なら、あなたは潜在的な戦闘が手元にある。そして、生産的なことは決して起こらない。
あなたの仕事仲間がどのくらい競争好きかを知るちょっとしたテストに興味があるだろうか。これを試して欲しい。
一週間に渡り、各自が「いいえ」「しかし」「でも」で会話を始めた回数をスコアボードにつけ続けることだ。
あなたはそれらの単語がどんなに一般的に使われているのかに驚くだろう。そして、もしもう少し深く掘り下げるなら、あなたはそこで現れるパターンが分かるだろう。
ある人はそれらの単語を力を得るために使う。
そして、あなたはどのくらい人がそれを不快に思い、議論を活発にするよりも、どうやってそれが議論の息の根を止めるかが分かるだろう。
私はこのテクニックをクライアントと一緒に使っている。
実際に考えることなしに、私は彼らがこの三つの単語を使うのをカウントし続けている。
それは、本当に重要な指標だ!
もしその数字がクライントとの最初のミーティングで貯まるなら、私はクライアントを遮って、「私たちはほぼ一時間話しています。あなたは、17回、いいえ、しかし、でものどれかで反応したのが分かりましたか」と言う。
これはまさに、行動変革に関する真剣な会話が始まる時だ。
もし、これがあなたの対人的な挑戦なら、あなたが仕事仲間を測定するくらい簡単に自分自身にこのちょっとしたテストができる。自分のポジションを弁護するのを止めて、「いいえ」、「しかし」「でも」で始まる発言を何回しているかを監視し始めることだ。
あなたが文章でこの単語を使う時に十分な注意を払う。
例えば、「それは真実だ。しかしながら…」
(意味:あなたはそれが本当に真実だとは全然思っていない)
他の懐かしく魅力的なものは「はい、しかし…」
(意味:反論の準備をしている)
自分自身の行動を監視するのに並行して、あなたはまた、この苛つかせる行動をあなた自身で止めさせる解決策を簡単に貨幣化できる。
友人や同僚に、あなたが「いいえ」「しかし」「でも」という度にあなたにお金を請求するよう頼むことだ。
いったんあなたがどのくらい有罪かを理解したなら、恐らくその時にあなたは自分の「勝ち」方を変え始めているだろう。
最後に
本日の記事はいかがでしたか。
どうしても、「いいえ」「しかし」「でも」という言葉は使いたくなりますよね。
これからは意識していきたいと思います。