あなたはゴマをすられているのを見抜けますか?

少し前に大相撲で舞の海という力士がいました。

舞の海の関取時代の体格は、身長171cm、体重101kgと非常に小柄でしたが、多彩な技を繰り出すことから、「技のデパート」というニックネームがつけられていました。

当時の各界は大型力士が多く、舞の海は小錦のように200キロ以上も体重差のある相手と取り組まなければなりませんでした。

そんな時、テレビを見ている人はどうしても舞の海を応援したものです。

このように、弱者に同情し味方することを「判官贔屓」(ほうがんびいき、またははんがんびいき)と言います。

語源は、源義経が兄頼朝に滅ぼされたのに人々が同情したことからだと言われています。

日本人は、特に判官贔屓する傾向があると言われていますが、弱い者に同情するのはいいのですが、ただ単に自分の好き嫌いで人を評価する(好きな人をひいきする)のは、問題になることがあります。

エグゼクティブ・コーチングの第一人者であるマーシャル・ゴールドスミス氏も、マネジャーのえこひいきをする傾向を諫めています。

 

えこひいきをする (Playing Favorites)

マーシャル・ゴールドスミス

私が成功した人たちの対人的な挑戦を特定するのにそんなにたくさんの時間とエネルギーを費やしているのには理由がある。

あなたが組織の上に行けば行くほど、あなたの問題はますます行動面のものになる。

あなたは聡明で、あなたは最新で、あなたは業務の技術的な側面を知っている。

 

しかし、いくつかの重要なピープル・スキルをしばしば欠いており、それはあなたの成功の妨げになる。

 

私は、何百ものカスタムメイドのリーダーシップ・プロフィールをレビューしてきた。

典型的にその書類は、組織が望むリーダーシップ行動を記述しており、「人が成長するのを手助けする」「異なる意見を尊重する」「えこひいきを避ける」などの重要な項目を含んでいる。

 

私は「効果的にマネジメントにゴマをする」がプロフィールにあるのを決して見たことがない。

次に、なぜそんなに多くのゴマすりが起きているのだろうか。

シンプルな答えは、私たちが他人の中に明白に見ているものが、自分自身の中には見られないのだ。

 

あなたはおそらくこう考えている。

「リーダーが部下を批判をしないこととは別に、彼ら自身と組織の称賛すべき点の誇張を奨める僅かな信号が発信されているとは驚きだ。しかし、勿論、これは私には当てはまらない」

 

あなたは正しいだろう。

 

しかし、あなたが現実から目をそらしていないのをどのようにして分かるのだろうか。

 

ここに、リトマス試験がある。

私はこれを世界中の何千ものリーダーの集団でテストをした。

それはどうみても示唆に富んでいる。

あなたたちのうち何名が愛すべき犬を飼っているだろうか。

研修のグループでは、エグゼクティブの顔に満面の笑みが現れ、空中で手を振っている。

彼らは犬の名前を愛で光り輝きながら言った。

 

それから、私は彼らに尋ねる。

「ご家庭で、あなたが家にいる時、誰が最大の注目を集めますか。(a)ご主人、奥さん、パートナー、(b)お子さん、(c)愛犬」。

 

80%以上で犬が勝者だ。

 

私はそれからエグゼクティブに家族よりも愛犬を愛しているのかと尋ねる。

 

答えはいつも断固としてノーだ

 

私のフォローアップの質問:「それでは、なぜ愛犬はあなたの注意をたくさん集めるのでしょうか」

答えはいつも同じだ。

 

「犬はいつも私をうれしそうに見ています」「彼女は決して言い返しません」「彼は私に無条件の愛をくれます。私が何をしようとも」。

 

言い換えれば、犬はゴマすりなのだ

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もし、私たちが注意深くないのなら、私たちは職場の人たちを犬のように扱って興奮させている。

何も考えず、無条件の称賛を私たちにたっぷりと与える人に報いている。どんな行動を見返りに得ているのだろうか。

 

どうやってゴマをすればいいかを知る大勢の人たちだ。

この行動を奨めることの問題は、二つある。

  1. もし全員があなたにゴマをすっているなら、誰が仕事をするのだろうか、
  2. もし、仕事をしている人がいるなら、あなたは間違った人たちを特別扱いしている!

 

リーダーは、私たちは皆自分を特別扱いする人を特別扱いする傾向があるのを認めることで、この行動を奨めるのを止められる。

 

これと闘うために、私たちは直属の部下を四つのカテゴリーに分類すべきである。

  1. どのくらい彼らは私を好いているのか。
  2. どのくらい彼らは私に似ているのか。
  3. 彼らの顧客と会社に対する貢献は何か。
  4. 私は彼らのどのくらいポジティブな個人的な評価を与えているか。

 

私たちが調べているのは、1と2と4、3と4の間で強い相関があるかどうかだ。

もし、私たちが自分自身に正直であるなら、私たちの人に対する評価はどのくらい彼らが良く実行するかよりもどのくらい彼らが私たちを好いているかに結びつけられるだろう。

これはえこひいきをすることの定義である。

 

この手短な自己分析は、問題を解決しないが、えこひいきを特定する。

そしてここから変革が始まるのだ。

 

マーシャルゴールドスミス氏の論文の翻訳については、ゴールドスミス氏ご本人の承諾のもとで行っております。

yujiro akimoto
  • yujiro akimoto
  • 【経歴】
    兵庫県神戸市出身。

    大学卒業後は、日系の精密機器メーカーに入社。約9年間に渡り人事、海外販売 (東南アジア地域)、営業支援などの業務を経験。

    その後、コンサルティング業界に転職。
    戦略コンサルタントとして、通信業・製造業・専門サービス業などのクライアントに対する戦略立案や戦略の実行支援などに携わる。

    コールセンター会社の経営企画と人事の担当役員として事業会社の経営に携わった後に、株式会社秋元アソシエイツを設立し、組織の生産性向上などのコンサルティングサービスを提供する。

    【資格】

    Marshall Goldsmith Stakeholder Centered Coaching (Certificated Coach)
    全米NLP協会 プラクティショナー
    TOEICスコア: 915

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