これを知っていればインタビューはうまくいく!七つのステップ
コンサルティングを進める際には、お客様であるクライアント企業に関する情報を集めて分析します。
この作業は、プロジェクトが始まる前にもやりますし、プロジェクトが始まってからもやります。
クライアントの企業が置かれている市場環境(規模、成長率、競合相手、規制など)や競争相手の特徴(強み・弱み)、クライアント企業の特徴(ビジョン、中期計画、収益のトレンド、組織構造、人事制度など)、クライアント企業の製品・サービスを購入するお客様の声などです。
情報の種類は、公表されている数値データ、関連する新聞雑誌記事など様々です。
その中に、聞き取り調査から得られた情報があります。
今回は聞き取り調査(インタビュー調査)の進め方やノウハウについて解説します。
目次
インタビューの進め方
インタビューの目的ですが、ふたつあります。
- 定量的な情報にある隠された意味合いを探る
- 自分たちが集めた情報以外の情報を得る
この目的を達成するために、最も重要なことは何だと思いますか。
それは「徹底した準備」です。
インタビューというと、実際の聞き取りの現場でのやりとりを思い浮かべる方が多いかと思います。
その時に、インタビューをする人が、よどみなく質問をすることが重要だと思われるかもしれません。
しかし、インタビューが成功は、事前の準備で決まってきます。
インタビュー調査の流れ
それでは、インタビュー調査はどのような流れで進められるのでしょうか。
そこには七つのステップがあります。
- 目的を設定する
- 仮説を立てる
- 確認すべき項目を洗い出す
- 質問票を作成する
- 対象者を選定し、日程調整する
- インタビューを実施する
- 結果をまとめる
1. 目的を設定する
まずは、この聞き取り調査で何を明らかにしたいのか、その目的を明確にします。
ここが明確でないと、チームで手分けをして調査をする場合に各々が自分の解釈に基づいて調査を進めてしまい、結果に統一性がなくなる恐れがあります。
私が過去に関わったB-to-B領域の調査では、「クライアントの顧客は、どのような点に満足をしていて、どのような点を改善してもらいたいのかを明らかにする」というのを目的にしました。
2. 仮説を立てる
目的が明確になっても、いきなりインタビューを始めべきではありません。
インタビューを重ねる毎に、徐々に焦点がずれてくることがありますし、限られた時間のインタビューの中を充分活動できないことも考えられます。
そこで、いったん目的が明確になったなら、これまで集めた情報をもとに、その目的に対してどのような結論が考えられるか、仮説を立てます。
いわゆる「当たりをつける」といった感じです。
これにより、インタビューの中で何に焦点を当てて聞くべきかがハッキリとするので、効率的にインタビューを進めることができます。
例えば、前述のB-to-B領域での調査では、「クライアントの顧客は、提供される製品の品質には満足しているものの、アフターサービスや営業の情報提供が十分でないと感じているから、一定期間が経過してから競合相手の製品に切り替えられているのではないか」という仮説を立てました。
3. 確認すべき項目を洗い出す
立てた仮説を裏付けるために、どのようなことを聞く必要があるか、質問項目を書き出していきます。
例えば、「製品の使いやすさ」「製品の耐久性」「価格の安さ」「営業の情報提供力」「アフターサービス」「配送のリードタイム」「企業ブランド」などです。
まずは、思いつくままに書き出してみましょう。
その後、あえて聞かなくてもいい項目やまとめた方がいい項目などがないかを確認してみて下さい。
4. 質問票を作る
確認すべき項目が決まったなら、それを質問票という形にしておきましょう。
この質問票に情報が全て埋まれば、インタビューは終了となるひとつの目安になりますし、チームで分担する場合もインタビューの結果に抜けや漏れがなくなるという効果があります。
ここで質問票にひとつ工夫を加えることもできます。
それは、質問票をアンケート形式にすることです。
質問の各項目について、「大変満足」「満足」「どちらでもない」「どちらかと言えば不満足」「大変不満足」と5ポイントで評価してもらうものです。
こうすることでいくつかの効果が期待できます。
- 5ポイント制で評価されているので、インタビューの結果をビジュアルに見せることができる
- 事前に回答者に答えてもらうことで、「当日に何を聞かれるのどうろう」という不安を取り除ける
あと、質問票の最後の部分には、自由回答欄を用意しておくのがいいでしょう。
5. 対象者を選定し、日程調整する
調査の内容によって、どのような階層の人に聞くべきかが決まってきます。
会社に対する要望を収集するのであれば、現場レベルの担当者よりも、部長などの管理職の人がいいでしょう。
また、現場での業務の進め方の問題点や課題などを明確にする場合は、実際にその作業を担当している人がいいはずです。
ここで対象者を間違ってしまうと、得られた結果の信憑性にもかかわっていくるので、慎重な選定が必要です。
対象者が決まったなら、実際のインタビューの日取りを行います。
この時に、インタビューで聞いた内容の取り扱いについても決めておく必要があります。
つまり、このインタビューで話したことは、匿名の情報として取り扱われるのかと言った点です。
特に、社内の関係者にインタビューする場合、相手は自分の発言内容が自分自身の評価に使われるのではないかと心配することがよくあります。
情報の取り扱い方法や匿名性をどうするのかについては、事前に対象者に説明しておくべきです。
6. インタビューの実施
通常は一時間くらいのインタビューが一般的だと考えられています。
限られた時間を有効に活用し、できるだけ沢山の情報を収集する必要があります。
インタビューの冒頭は、相手との関係を近づけるためのちょっとした雑談(相手の経歴など)や、インタビューの目的や情報の取り扱い方法などについて説明するので、どうしても
5〜10分くらいは使います。
残りの時間は、質問票に従って相手からコメントをもらいます。
どうしても、人は曖昧な表現を使う傾向があります。
そのような場合は、そこで終わらずに、「それはどういうことですか」「もうすこし具体的にはなしていいただけますか」と深掘りしてください。
基本的には、質問票に従って確認をするので、こちら側で進行をコントロールできるのですが、インタビュー対象者が乗ってきて、しゃべり続けるということがあります。
そんなときは、往々にして関係のない話に脱線していることもありますので、「なるほど。それでは次に○○についておたずねします」と、インビューに戻るようにしてください。
また、最後には、「全体を通して言い残したことや、ご要望はありますでしょうか」と相手に自由に発言してもらい、インタビューを締めくくりましょう。
7. 結果をまとめる
インタビューが終わったら、質問票を読み返し、補足しておくべき点や、気ついたことを書き留めておきましょう。
記憶が鮮明なうちにこの作業をしておくことが肝心です。
インタビューが全て終了した時点で、まとめてやってしまおうと考えていると、「これは誰の発言だったかな」と混乱する場合や、質問票に書き留めた内容の意味合いを忘れてしまい、貴重な情報を活用できなくなります。
あと、インタビュー対象者には、貴重な時間を頂いた訳ですから、当日か翌日にお礼のメールか電話をするようにしましょう。
最後に
いかがでしたか。
準備が万端だと、インタビューの当日にあせることもなくなります。
参考にしてみて下さい。
事前準備が全てですよね!よく分かります。
コメントありがとうございます。