こうすれば部下が伸びる!知られざるフィードバックの効果
あなたが部下を持つ立場の方なら、仕事に関して部下に指示や指導をされますよね。
あなたが言ったことに対して、その通りに実行する部下もいれば、予想以上の成果をあげる部下もいます。
また、残念なことに要求したレベルに達しない場合もあります。
どのような結果がでても、あなたは部下に何かしらの意思を表明しますよね。
それを「フィードバック」と呼びます。
フィードバックを効果的に行うと部下の行動やモチベーションが改善すると言われています。
目次
70:20:10の法則
フィードバックとは、「ある人の言動に対する周りの人からの客観的な評価」を指します。
アメリカにリーダーシップ開発を行っているロミンガー社という会社があります。
この会社が、経営幹部を対象にリーダーシップの発揮にどのようなことが影響しているかを調査しました。
結果は、
「70%が経験、20%が薫陶、10%が研修」
でした。
これを同社は、「70:20:10の法則」と呼びました。
このうちの20%の薫陶というのは、上司や周りの人からの言葉のことで、まさにフィードバックと言えます。
部下の成長のために、上司からのフィードバックがいかに重要かを現しています。
ジョハリの窓
それでは、なぜフィードバックが重要なのでしょうか。
それは、自分の行動であっても、自分には見えない箇所や気づかない箇所があり、それを指摘してもらうことで、その点が改善され成長されるからです。
この考え方は、「ジョハリの窓」というコンセプトで説明できます。
ジョハリの窓というのは、アメリカの心理学者であるジョセフ・ルフトとハリ・インガム が発表した考え方で、二人の名前を取って「ジョハリの窓」と呼ばれるようになりました。
ジョハリの窓によれば、自分のことについて、自分と他人が知っていることと知らないことを基準にして四つの領域に分類します。
- 「開放」の領域:自分も他人も知っている自分
- 「秘密」の領域:自分は知っているが、他人に知られていない自分
- 「盲点」の領域:自分は知らないが、他人には知られている自分
- 「未知」の領域:自分も他人も知らない自分
この四つの領域のうち、フィードバックというのは、自分は知らないが、他人には判っている「盲点」の領域の情報を提供することです。
フィードバックにより開放の領域が拡大し、個人として成長が促されるという訳です。
ちなみに、自分は知っているが、他人に知られていない自分に関する「秘密」の領域の情報を他人に伝えることは、「自己開示」と呼ばれています。
盲点の領域を明らかにする
この盲点の領域は、個人だけでなく、企業にもあります。
かって、コンサルティングサービスの一環で、複数のクライアント企業に対して、市場調査を行いました。
これらの企業は、いわゆるB-to-Bの分野(B-to-Bとは、消費者向けではなく、企業向けの製品を提供する分野になります)で活躍されていましたが、今後さらに成長を続けるために彼らの顧客である企業に要望を集めることになりました。
こういう調査は、社内でも対応できると思われますが、外部のコンサルティング会社を使うことで、客観性が保てるというメリットがあります。例えば、営業に調査をさせると自分では聞きにくいことを無意識に避けたり、相手も言いにくいことを敢えて言わないことがあります。
調査は、実際にクライアントの顧客の企業に出向いて、責任者に話を聞き取るものですが、調査の結果は「なるほど想像していた通り」というものもありますが、「お客様は
そんなことを考えていたのか」と新たな気づきを得られます。
まさに、盲点の領域の情報が得られたといえます。
フィードバックのコツ
このように、フィードバックは相手の知らない情報を提供することですが、フィードバックスをする際には意識しておくべき点があります。
- 相手との友好的な関係があることが前提
- 事実となる行動や結果を伝える
- 行動の影響を伝える
- 自分が感じていることを伝える
- 相手の軌道修正への決意を確認する
- 未来志向で伝える
特に未来志向という点は重要です。
たしかに、部下の過去の行動に対する情報や解釈を伝えるものですが、あまり過去に囚われすぎてもいけません。
過去そのものは変えられないので、相手の将来の行動のために伝えたつもりでも、受け取った部下にとっては個人批判と受け取られることもあります。
自分では変えられる「未来」にフォーカスすること、つまり次にどうすればいいかという点を意識するのがいいでしょう。
最後に
いかがでしたか。
フィードバックをタイミング良く行うことで、部下の行動
がひとつレベルアップすることが期待されます。