意外と知られていない質問の力

多くの著名人がコミュニケーションの重要さを指摘しています。

世界的に有名なコーチであるアンソニー・ロビンズ氏(アメリカの元大統領であるビル・クリントンにもコーチングをしたことがあるそうです)は、「コミュニケーションの質が人生の質を左右する」と言っています。

加速学習法を提唱しているブライアン・トレイシー氏は、「ビジネスの成功は10%の専門知識と90%のコミュニケーション能力である」と言っています。

それでは、コミュニケーションの中で重要なことは何でしょうか。

相手を感動させたり喜ばせたりする話ができることでしょうか。

それとも会話のキャッチボールを上手く行える瞬発力でしょうか。

実は、コミュニケーションで重要な要素は、質問することなのです。

経営学の大家であるピーター・ドラッカー氏もリーダーにとって質問することの重要性を説いています。

「過去のリーダーは何を伝えるかを知っている人だった。未来のリーダーは何を質問するかを知っている人になるだろう」

 

質問はなぜしなければならないのか

コミュニケーションにおいてなぜ質問がそれほど重要なのでしょうか。

質問には次の様な目的があります。

  • 問題点を明確にする
  • 考えを整理する
  • 具体的にする
  • 視点を変える
  • 他の選択肢を考える
  • 目的を設定する
  • アイデアを出す
  • 価値観を知る
  • 気づき・発見を促す
  • 優先順位を決める
  • 核心を突く
  • 相手の本音を引き出す
  • 判断基準を知る
  • 省略されているものを知る
  • モチベーションを上げる
  • 言葉の意味を探る、等

これだけの様々な目的があるのです。

 

質問の種類を押さえておくと会話は円滑になる!

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質問にはいくつかのタイプがあります。

クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョン

クローズド・クエスチョンとは、「閉じた」質問なのですが、これはどういうことがというと、質問を受けた人が「イエス」「ノー」で答えられるような質問を指します。

例えば、

  • 質問者:「昨日のセミナーは出席しましたか」
  • 回答者:「はい」
  • 質問者:「何名で行きましたか」
  • 回答者:「一人です」
  • 質問者:「内容はためになりましたか」
  • 回答者:「ええ、ためになりました」

といった感じです。

クローズド・クエスチョンには

  • 事実内容の確認する
  • 状況を把握する
  • コミットメントをとる
  • 気持ちを引き締める

などのために質問されます。

また、この質問は、質問を受けた人が「イエス」か「ノー」で答えられるので、回答がしやすいので、会話にスピード感やテンポがでます。

一方、オープン・クエスチョンは、質問を受けた人が「イエス」「ノー」ではなく、より具体的に答えなければならない質問のことです。

例えば

  • 質問者:「昨日のセミナーはどのような点がためになり
    ましたか」
  • 回答者:「事例がたくさん使って説明があったので、
    実感がよくわきました」
  • 質問者:「この後、どうされますか」
  • 回答者:「いくつかの点は、実際に業務で使えると思う
    ので、早速実践しようかと考えています」

といった感じです。

オープン・クエスチョンには、

  • 広く情報を収集する
  • 具体化する
  • 相手に考えさせる
  • 将来のイメージを膨らませる
  • 想像力を広げる
  • 実行力を高める

などの効果があります。

また、相手が自分で答えを見つけることを期待する質問なので、自発性を引き出す効果もあります。

特に相手があまり話をしない場合は、有効な質問とも言えます。

 

チャンクダウンとチャンクアップ

コミュニケーションの中で質問を繰り返していく時に、そこには方向が二つあります。

一つはチャンクダウンです。

これは、相手の回答の内容をさらに掘り下げていき、より具体的な内容を把握するものです。

これは質問する側にとっては、より詳細な情報が得られるのですが、回答する側にとっては答えやすいのですが、自分の知っていることだけをただ説明するので、面白くない場合が
あります。

もう一つは、チャンクアップです。

これはチャンクダウンの逆で、質問がより全体的でかつ包括的な視点から答えてもらうような内容になります。

答える側はより自由に発想できるので、面白さを感じてもらえることがあります。

具体的な質問例としては、

  • それが達成された時、あなたは何を得ていますか
  • 達成した時、最初に知らせたいのは誰ですか。何と声をかけてもらいたいですか
  • それを達成することは、あなたのキャリアに何をもたらしますか

などです。

 

効果的な質問をする4つコツ

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質問には、様々な目的があり、適切な場面で行うことで、コミュニケーションを円滑にする効果があります。

しかし、ただ「教えて、教えて」と質問していては、相手もうんざりしてしまいます。

効果的な質問をするための4つのコツがあります。

  1. 質問は、短く、コンパクトに
  2. 肯定的な表現で
  3. 沈黙を恐れない。相手が考えている時間は待つ
  4. 会話の最初はクローズド、次にオープン、最後はクローズド(決断させる)

 

最後に

いかがでしたか。

普段、何気なく質問をしているかと思いますが、実は奥深いものなのです。

うまく質問を使い分けて、円滑なコミュニケーションができるようにして下さい。

yujiro akimoto
  • yujiro akimoto
  • 【経歴】
    兵庫県神戸市出身。

    大学卒業後は、日系の精密機器メーカーに入社。約9年間に渡り人事、海外販売 (東南アジア地域)、営業支援などの業務を経験。

    その後、コンサルティング業界に転職。
    戦略コンサルタントとして、通信業・製造業・専門サービス業などのクライアントに対する戦略立案や戦略の実行支援などに携わる。

    コールセンター会社の経営企画と人事の担当役員として事業会社の経営に携わった後に、株式会社秋元アソシエイツを設立し、組織の生産性向上などのコンサルティングサービスを提供する。

    【資格】

    Marshall Goldsmith Stakeholder Centered Coaching (Certificated Coach)
    全米NLP協会 プラクティショナー
    TOEICスコア: 915

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