あなたは「しつこい」人ですか?
最近、ベンチャー経営者、特に若手の書いた書籍を何冊か読む機会がありました。
そこで共通しているのは、成功する経営者というのは健全な意味での「しつこさ」を持っている人ということです。
SHOWROOM株式会社 前田裕二氏
書籍名「人生の勝算」
これは、ライブ配信サービスを運営する「SHOWROOM」というベンチャー企業の社長である前田裕二氏の著作です。
この前田氏は、まだ20代ですが、AKB48グループのプロデューサーである秋元康氏が『堀江以来の天才』」と認めている人物です。
ハーバーと・ビジネス・レビューでも「次代を拓く20人のリーダー」に選出されています。
この人は8才で両親を失うという不幸に見舞われ、そのため路上ライブで生活費を稼いだという凄まじい経験を持っています。
大学卒業後にUBS証券に入社し、華々しい成績を上げてからDeNAでSHOWROOMを立ち上げました。
読んでいて感心したのは、この前田氏はどのようなことに関しても非常に問題意識が高い点です。
また、いい意味での「しつこさ」を感じました。
一例を挙げれば、大学時代の就職活動でも、普通の学生は自己分析にノート一冊にまとめるところ、この人は30冊もまとめ圧倒的な仕事量で軒並み内定を勝ち取ります。
そのプレゼン力にはDeNAの南場会長も目をつける程でした。
この徹底した姿勢は見習いたいものです。
株式会社ビィ・フォアード 山川博功氏
・書籍名
「アフリカで超人気の日本企業―アフリカビジネスで急成長! ビィ・フォアードの成功哲学」「グーグルを驚愕させた日本人の知らないニッポン企業」
ビィ・フォアードというのは、中古車の輸出を行っている会社です。
この会社は日本ではほとんど知名度はありませんが、アフリカ向けの中古車輸出で事業を拡大し、アフリカで最も有名な日本企業と言われています。
中古車の販売は、自社のホームページから行っているのですが、その閲覧回数(PV数)は2015年で6000万回と圧倒的な実績を残しています。
日本でオークションで仕入れた車を、サイトを見たて注文した個人に販売します。
中間業者を排除したため、顧客は低価格で状態のいい日本製の中古車が変えると言うことが口コミで評判になり、一気に販売量を拡大しました。
この山川氏は、大学を卒業した後は、自動車ディーラーに就職するのですが、学生時代からやっていたモータースポーツで作った借金がかさんでしまい、会社をやめなければならなくなり、その返済のために様々な仕事を経験します。
その後、中古車買取会社に就職して、猛烈に働くことで実績を上げ、ビィ・フォアードを設立します。
山川氏はとにかく仕事に妥協のない人で、飲みに行っても部下に仕事の進め方について徹底的に説教し、泣かせてしまうほどの厚いハートを持っています。
NPO法人フローレンス 駒崎弘樹氏
・書籍名:「働き方革命 あなたが今日から日本を変える方法』
ベンチャー企業ではないのですが、駒崎氏はNPO法人を運営する社会起業家です。
その活動は、日本だけでなく世界からの注目されて家、ニューズウイークで「世界を変える社会起業家100人」に選ばれました。
もともとは、政府の施策である「働き方改革」について調べたいと思って、題名だけで購入したのですが、働き方改革そのものではなく、駒崎氏のこれまでの働き方をどのように改めて、ワーク・ライフ・バランスを高めたのかと言うことが書かれている本です。
ちなみに、駒崎氏は働き方改革に関する政府の委員会の委員を務められています。
駒崎氏は「地域の力によって病児保育問題を解決し、子育てと仕事を両立できる社会をつくりたい」と考え、2004年にNPO法人フローレンスを設立されました。
本人曰く小規模なNPOなので、代表自身が一人何役も果たさなければならないと、猛烈に働いた結果、働き過ぎによる様々な症状が出てしまいます。それは、
- 無駄な時間恐怖症候群
- メールチェック中毒
- インプット不全症
- エンターテイメント忌避症
- 常時多忙症候群
- コミュニケーション忌避症
- 常時不機嫌症
- 表情喪失症
- ネットワーク断絶症
そんな中、ある方に紹介されて米国で自己変革プログラムを受けることで、自分の仕事の進め方に疑問に思い、仕事のやり方を抜本的に効率化・見直しを図りました。
その結果、仕事のアウトプットはほとんど変えずに、業務時間の大幅削減に成功しました。
健全な「しつこさ」
この三人の書籍を読んで、どの人も素晴らしい実績を挙げられており、自分は同じ年代のこと何をやっていたのかと恥ずかしくなる程です。
仕事への向き合い方や考え方が、とにかく徹底的に考える・徹底的に働くことを信条にしていることが伝わってきます。
この「しつこさ」が事業を成功させるためには必要なのでしょう。
コンサルティング会社に勤務していた頃に上司から、「いいコンサルタントというのは、どのようなことにも『健全な』好奇心を持っている」と教えられました。
コンサルティングの現場に行くと、クライアントについて様々な情報が得られます。
あまり関係のないことが実は問題の解決には重要なピースになると言うことがよくあります。
しかし、漫然とみていると見過ごしてしまうので、上司の言うように「健全な好奇心」があれば、「おや、何で」とそこで気がつき、見落とすことがなくなります。
常にアンテナを高く張って、いろいろな情報をキャッチできるようにしておきたいものです。