マネジャーに必要な「四つの力」とは
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「名選手、名監督にあらず」
「名選手、名監督にあらず」スポーツの世界で「名選手、名監督にあらず」とよく言われています。
これは、現役時代に華々しい成績を上げた選手であっても、指導する監督になったら現役時代のような成功が得られないというものです。
選手と監督では要求されるスキル、能力が異なっており、その点に気づけるかどうかが鍵になります。
同じようなことは、ビジネスの世界でも言えます。
ピーターの法則とは
「ピーターの法則」という言葉を聞いたことがありますか。
これは、南カリフォルニア大学教授のローレンス・J・ピーターという教育学者が1969年に、その共著 『ピーターの法則―〈創造的〉無能のすすめ』の中で提唱している法則で、
- 階層社会では、すべての人は能力の極限まで昇進を続ける。
- そのような昇進を成し遂げた人というのは、これ以上能力が伸びない状態、いわゆる「無能」レベルに達してしまう。
- やがて、あらゆるポストは職責を果たせない無能な人間によって占められることになる。(つまり、各階層が無能な人間で埋め尽くされる)という現象が起きると言っています。
ちなみに、「無能」レベルに達した人の特徴として、
- 自己を正当化し、自分が置かれている困難な状況を他人のせいにする。
- 「仕事をしている」という感覚を持ち続けたいために「物」に執着する(例えば、机の上を本や書類でぐちゃぐちゃにするとか)などがあるそうです。
この法則は、ある階層の中で最も優秀な成績を収めたプレイヤーがひとつ上の階層に昇進した時に、新たなステージでは求められる能力やスキルが異なっており、その変化に適用できるかどうかが、さらに上に昇進する鍵であると示唆しているのだ言えます。
特に、この階層によって求められる能力が大きく異なるのは、一担当者から管理職になった時でしょう。
それでは、マネジャーにはどのような能力やスキルが必要になるでしょうか。
マネジャーに必要な四つの「力」
マネジャーに求められる能力、それは四つの「力」から構成されます。
- 「構想」を打ち出す力
- 「コミュニケーション」で人を動かす力
- 組織を統率・運営する力
- プレイヤーとしての力
この四つのスキルは、マネジャーだけが求められる訳ではなく、担当者も必要ですが、その要求レベルには担当者とマネジャーの間では明らかに違うものがあります。
この四つの力については、今後より詳しく説明していきますが、簡単にポイントだけをまとめておきます。
「構想」を打ち出す力
担当者の時は、自分に与えられた仕事を遂行することが第一目的ですが、その中で創意工夫してより効率的に行うことが求められていました。
しかし、マネジャーになると、もう一段高い視点が求められます。
自分の管理する組織・チームが何を実現しようとしているのか、そのビジョンを明確に打ち出し、ビジョンを実現するための行動計画を作成しなければなりません。
「コミュニケーション」で人を動かす力
担当者の時には、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)においてポイントを得た簡潔なコミュニケーションが求められます。
一方、マネジャーになると、1対1のコミュニケーションだけでなく、1対多のコミュニケーションを行うことが求められます。
組織を統率・運営する力
これは、リーダーシップを発揮して、組織の目標に向けてチームを引っ張っていく力のことです。
プレイヤーとしての力
マネジャーというのは、担当する領域の業務・業界知識については誰よりも詳しいだけでなく、経営理論や財務・会計理論、一般常識など幅広い見識をもって、組織の運営に携わる必要があることを言っています。
最後に
いかがでしたか。
組織のリーダーになるためには、ある意味今までの成功体験を脱ぎ捨てて、新たな自分をつくるような取り組みが必要です。
マネジャーに必要とされる「力」については、他のブログで詳しく解説していきます。